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子宮頸がん予防ワクチンは「悪魔のワクチン」なのか?

難波美智代です。

どんなワクチンにでも副反応があります。

 

ワクチンについては、いろんなご意見があるのですが、メディアの報道等をそのまま鵜呑みにして、当の本人であるワタシたちが思考停止になってしまわないように!書いてみたいとおもいます。

 

ほとんどの子宮頸がんは、HPV(ヒトパピローマウィルス)の感染により発症します。予防ワクチンはいくつかの種類のウィルスのなかでも、子宮頸がんの約70%は、その種類が原因であるといわれているウィルスの感染を100%防ぐことができるとされています。(=子宮頸がんの70%が予防できるであろうということ)。

 

日本では、2010年度より公費の助成がおこなわれ、2013年度から小学校6年生(12歳相当)~高校1年生(16歳相当)の女児を対象に定期接種化しています。最も推奨されるワクチン接種の対象は小学校高学年〜中学生の女児(11~14歳)ですが、性交渉があってもHPVの再感染を予防することができます。日本産婦人科学会では、11~45歳までを接種の対象としています。接種回数は3回です。

 

そして、いま、この子宮頸がん予防ワクチン接種後の副反応について「再度よく調べて安心して接種がおこなえるように」という理由から、厚生労働省は接種を積極的に薦めることを一時中断しています。各自必要であれば、任意で接種してください。という風にいわれています。ちなみに、インフルエンザやおたふくかぜ、みずぼうそうは任意接種対象に区分されたワクチンです。

厚生労働省子宮頸がん予防ワクチンQ&Aより一部改変

 

この間、女子高生たちから「子宮頸がんのワクチンは、ヤバいんでしょ!?」という言葉をききました。それは、おそらくそっくりそのまま、ご家族の言葉だったりするのでしょう。なぜなら、ワクチン接種後に副反応で苦しむ少女の映像がメデイアで繰り返し報道されて、多くの人が「子宮頸がんワクチンを接種するとこうなる可能性がある?」と不安を持っているのです。 

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厚生労働省:第6回予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会 資料より)

 

子宮頸がん予防ワクチンは、これまで延べ890万人もの接種がおこなわれています。そのうち約100万人に1人の割合で、あの報道にあったような病気にかかっています。ただ、ワクチンとの因果関係は証明されていません。現段階で、厚生労働省の科学的な根拠に基づく調査によると「心因反応」が痛みの原因であると報告されています。

 

シンクパールは、婦人科系疾患の予防啓発を目的に「検診率の向上」に取り組んでいます。でも、このワクチンについては、子宮頸がん患者としても本当に多くのご相談や意見をもとめられるようになりました。

 

ワタシは「子宮頸がんワクチンの接種をしたくない」という方以外には、接種をすすめています。理由は3つです。

 

①専門家組織からの安全性の提唱

これまで活動にご協力をいただいてきた信頼する産婦人科のドクターをはじめ、日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会 、日本婦人科腫瘍学会。そしてWHO(世界保健機構)のワクチンの安全性に関する世界諮問委員会や、フランス当局の医薬品安全局もHPVワクチン接種の継続的安全性に関する声明を相次いで発表しています。そして、一様にもし接種をうけなかったらどういうことになるのか、いま問題になっている「風疹」のようなことが起こらないように、きちんとリスクとベネフットが理解されるように呼びかけています。

子宮頸がん征圧をめざす専門家会議:資料より

 

②副反応に対する診療体制、補償体制の充実の期待

厚生労働省は、接種後に原因不明の痛みが続く患者に対して、全国16大学病院で専門的な治療な治療を行うことを決めました。また「予防接種健康被害救済制度」というのがあり、万が一副反応が生じた場合の補償制度があります。(ここはもっとわかりやすく、改善してほしいなっておもう部分ですが・・)

 

③検診では防ぎきれなかった「子宮頸がん」の症状とその後のリスクがあるから

事務局のあゆちゃんのお話をします。

彼女は、結婚式を目前に控えた28歳のときに、不正出血で産婦人科を受診しました。検査では、子宮頸がんになるまえの段階の異形成細胞があると、3ヶ月に1度の検診で経過を観察し、進行の状況をみて子宮頸部の一部だけを切り取り、子宮は温存する「円すい切除術」を受けました。

 

新婚のあゆちゃんは、当時、相談できる相手もいなくって不安でいっぱいだったそうです。「子どもがいらないなら、(子宮を)全部取っちゃってもいいんだけどね」というドクターの言葉にも傷ついた!といいます。そして、手術して1年3ケ月後に妊娠が分かりました。子宮の入り口を切除しているため、早産のリスクは高く、ちょっとした不正出血や微妙な体調変化で不安になる妊娠生活だったそうです。そして、8ヶ月目で破水し、帝王切開で幸芽(こうめ)ちゃんというおんなの子を出産しました。

 

幸芽ちゃんが幼稚園生になった今年、ふたり目の赤ちゃんを授かりました。出産予定は9月です。ただ、やはり手術の影響で切迫早産になり、安静のため出産まで入院することになりました。

 

「予防接種でウィルスの感染を防げていたら、こんなことには・・」

 

これは、あゆちゃんもワタシも共通の想いです。最近は子宮頸がんワクチン接種をきっかけにして体調不良を訴えている少女たちにも会って、いま起こっていることをお聞きしたりなにか一緒に前向きなことができないか、考えています。「悪魔のワクチン」と呼ぶ方々もいます。その悲痛さを目の当たりにして、ワタシはどうしたらいいのかわからなくなっちゃうこともあります。

 

でも、考えることをやめてはいけないとおもうんです。

 

今月にはまた、厚生労働省で予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会が行われます。科学的かつ建設的な環境整備を臨んでいます。そして、メディアにはとにかくネガティブなことばかり報道しないで、正しく伝えてほしい。

 

性別・年齢に関わらず、すべてのひとが正しくリスクとベネフィットを理解して選択できる。そんな日が訪れることを、ワタシは願っています。

 w/luv!mie

 

応援おねがいします!

難波美智代が代表をつとめるシンクパールは、「婦人科系疾患の予防啓発」を目的に設立された一般社団法人です。女性たちが「検診にいきやすい環境づくり」を、このブログとFacebookページを通じて考えていきたいと思います。活動にご賛同いただける方はぜひいいね!をお願いします。